暗記が苦手な人にとって、視床下部ホルモンは特に覚えづらい分野の一つです。似たような名前が並び、しかもそれぞれが異なる機能を持つため、「どれが何をするホルモンだっけ?」と混乱することも少なくありません。国家試験や看護学校の定期テストなどで頻出のこの分野は、ただ丸暗記するだけでは定着しづらく、ストレスの原因にもなりがちです。
そこでこの記事では、視床下部のホルモンを効率よく、しかも楽しく覚えるためのコツを紹介します。語呂合わせやイラスト、グループ分けなど、視覚と語感の両方から記憶にアプローチすることで、自然に頭に入るように工夫されています。はじめのうちは全部を覚えなくても大丈夫。まずは「これだけ押さえれば得点できる」ポイントからスタートし、徐々に理解を深めていきましょう。
このページでわかること
- 視床下部ホルモンの分類と基本的な作用
- 放出ホルモンと抑制ホルモンの語呂合わせによる覚え方
- 図やイラストを使ったホルモンの流れの視覚的理解
- 記憶を定着させるための暗記カードや練習法の活用
視床下部ホルモンの基本を理解しよう

視床下部は、脳の深部にある小さな領域でありながら、全身のホルモンバランスを司る司令塔のような役割を担っています。その働きの中心となるのが、視床下部ホルモンです。これらのホルモンは、下垂体に指令を送り、さらにそこから全身に向けて様々なホルモンが分泌されるという流れを作ります。
まずは「視床下部がどのようなホルモンを出していて、それがどの器官にどう作用するのか」をざっくりと理解することが大切です。ホルモン名だけを丸暗記するのではなく、「誰に何をさせているのか」をイメージできるようになると、記憶に定着しやすくなります。
視床下部と下垂体の関係をおさらい
視床下部は、下垂体というもう一つの重要な内分泌器官と密接につながっています。この関係性を理解することが、視床下部ホルモンの役割をつかむ第一歩です。
視床下部は、下垂体の前葉と後葉に対して異なる指令を出します。前葉には主にホルモンを通じて働きかけ、後葉には神経を通じて直接コントロールしています。具体的には、視床下部が分泌する放出ホルモンや抑制ホルモンが血流を介して下垂体前葉に到達し、そこからさらに各種ホルモンの分泌が始まります。
この「視床下部 → 下垂体前葉・後葉 → 標的器官」という三段階の流れを押さえることで、全体像が見えてきます。図やイラストで位置関係やホルモンのルートを視覚的に把握すると、より理解が深まります。
ホルモンの分類:放出ホルモンと抑制ホルモン
視床下部ホルモンは、大きく「放出ホルモン」と「抑制ホルモン」の2つに分けられます。この分類を理解しておくと、学習が一気に効率化します。
放出ホルモンは、下垂体前葉に働きかけて「ホルモンを出すように促す」ホルモンです。代表的なものに、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)やCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)などがあります。
一方、抑制ホルモンはその名の通り、下垂体からのホルモン分泌を抑える働きをします。ドパミンがその代表例で、プロラクチンの分泌を抑制する役割があります。
このように、ホルモンの「出せ!」と「止めろ!」の指令を担うのが視床下部というわけです。分類を覚えることで、似た名前のホルモンの混同も防ぎやすくなります。
代表的な視床下部ホルモン一覧
視床下部ホルモンには複数の種類があり、それぞれ異なる働きを担っています。以下は、代表的なホルモンとその作用先、主な役割を整理したものです。
ホルモンの働きを理解しやすくするため、簡単な表にまとめました。
| ホルモン名 | 略語 | 作用先 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| 性腺刺激ホルモン放出ホルモン | GnRH | 下垂体前葉 | FSH・LHの分泌促進 |
| 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン | CRH | 下垂体前葉 | ACTHの分泌促進 |
| 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン | TRH | 下垂体前葉 | TSH・プロラクチンの分泌促進 |
| 成長ホルモン放出ホルモン | GHRH | 下垂体前葉 | 成長ホルモン(GH)の分泌促進 |
| プロラクチン抑制因子(ドパミン) | PIH | 下垂体前葉 | プロラクチンの分泌抑制 |
この表をもとに、ホルモンの機能や作用先を頭の中でイメージできるようにしていくと、記憶への定着が格段に楽になります。
語呂で覚える視床下部ホルモン
視床下部ホルモンは名前も似ていて数も多く、ただ見て覚えるだけでは記憶に残りにくいものです。そんなときに役立つのが「語呂合わせ」です。語呂は、複雑な情報をストーリーや音のリズムにのせて覚える記憶術の一つで、医学系の学習では特に効果的です。
このパートでは、視床下部ホルモンの語呂合わせを複数紹介します。それぞれの語呂に、実際のホルモン名とその作用をリンクさせることで、単なる丸暗記から意味のある記憶へと変えていきます。
超定番!「ゴナドがコルチコに…」で一気に暗記
まずは多くの医学生が使っている、視床下部ホルモンの王道ゴロを紹介します。
「ゴナドがコルチコにチロっと成長、プロにドーパで止める」
この語呂に登場するホルモンと、それぞれの作用は以下の通りです。
- ゴナド(GnRH)
↳性腺刺激ホルモン(FSH、LH)の分泌を促進し、性腺機能を調整 - コルチコ(CRH)
↳副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を促進し、ストレス応答や糖代謝に関与 - チロ(TRH)
↳甲状腺刺激ホルモン(TSH)とプロラクチンの分泌を促進し、代謝と乳汁分泌に影響 - 成長(GHRH)
↳成長ホルモン(GH)の分泌を促進し、全身の成長や代謝に作用 - プロ(PRH)
↳プロラクチンの分泌を促進し、乳腺の発達と乳汁分泌を支援(※PRHは明確な実体なしともされる) - ドーパ(ドパミン)
↳プロラクチン分泌を抑制する、視床下部からの抑制因子
意味をイメージしながら語呂と結びつけて覚えることで、試験中にホルモン名が頭に浮かびやすくなります。
グループ別に語呂を分けるとさらに記憶に残る
ホルモンを「何を調整するホルモンなのか」で分類し、それぞれに語呂をつけると、理解と記憶の両面で効果があります。以下のようにグループ化して語呂を活用すると、情報が整理されて頭に入りやすくなります。
- 性腺系(GnRH)
↳「ゴナドは精子と卵子を刺激する」:性ホルモン系の調節と記憶 - ストレス系(CRH)
↳「クレーム(CRH)はアドレナリンを呼ぶ」:ストレス時に副腎皮質を刺激 - 甲状腺系(TRH)
↳「チロっとプロも出しちゃうTRH」:TSHとプロラクチンの両方に作用 - 成長系(GHRH)
↳「GHRHでグングン成長」:成長ホルモンの分泌促進 - 乳腺系(ドパミン=PIH)
↳「ドーパミンがプロを止める」:プロラクチン分泌を抑える役目
このように分野別に語呂を切り替えて覚えると、知識がごちゃ混ぜにならず、必要なときに取り出しやすくなります。
視床下部ホルモンの語源で覚える裏技
ホルモン名は、多くがラテン語やギリシャ語に由来しています。その語源を理解すると、単語自体の意味が見えてきて、丸暗記に頼らず記憶に残りやすくなります。
語源を元にした覚え方の一例を紹介します。
- Gonadotropin(GnRH)
↳「gonado」は性腺、「tropin」は刺激するという意味 - Corticotropin(CRH)
↳「cortico」は副腎皮質、「tropin」は刺激する - Thyrotropin(TRH)
↳「thyro」は甲状腺、「tropin」は刺激する - Growth Hormone(GHRH)
↳そのまま「成長ホルモン」を刺激 - Prolactin Inhibiting Hormone(PIH)
↳「prolactin」は乳汁生成、「inhibiting」は抑える
言葉の構造や意味が分かると、類似のホルモン名が出ても混乱しにくくなります。また、他の内分泌ホルモンにも応用が効くため、全体的な理解力アップにもつながります。
図とルートで視覚的に理解する
視床下部ホルモンは、名前と働きだけを文字情報で覚えようとすると混乱しやすくなります。そんなときに役立つのが、図やイラストを使った視覚的な学習法です。特に、視床下部と下垂体の関係や、ホルモンの流れを図式化すると、抽象的な知識が一気に整理されます。
このパートでは、視床下部と下垂体のホルモンの流れや、各ホルモンの機能をマップ形式で解説していきます。目で見て覚える力を借りて、知識の定着を助けましょう。
視床下部と下垂体のホルモンの流れを図解
視床下部ホルモンの理解には、まず「どこから出て、どこへ作用し、何が起こるのか」という流れを視覚的に把握することが重要です。以下は、その流れを簡略化したイメージです。
【ホルモンの流れの例】
視床下部
↓(放出ホルモン・抑制ホルモン)
下垂体前葉
↓(FSH, LH, ACTH, TSH, GH, PRL)
各標的器官(性腺、副腎皮質、甲状腺、骨・筋肉、乳腺など)
このように、視床下部から出たホルモンが下垂体を通して全身に影響を与える仕組みを「視覚的に理解」することで、関連性のある情報が結びつき、長期記憶として定着しやすくなります。
また、図には色分けや矢印などを用いると、流れがより明確になります。自分で図を描いて整理するのも、効果的な学習法のひとつです。
ルートで整理するホルモン機能マップ
各ホルモンが「何をするか」を一目で分かるようにまとめた機能マップは、理解と記憶を両立させるための強力なツールになります。
例えば、以下のような視覚情報を組み合わせると効果的です。
- GnRH → FSH・LH → 性腺
↳生殖細胞の成熟・排卵・性ホルモン分泌などに関与 - CRH → ACTH → 副腎皮質
↳コルチゾールなどの分泌を促し、ストレス対応や代謝を調整 - TRH → TSH → 甲状腺
↳代謝を調整する甲状腺ホルモンの分泌を刺激 - GHRH → GH → 骨・筋肉など
↳成長や体組織の修復、血糖上昇作用も持つ - ドパミン(PIH) → プロラクチン抑制 → 乳腺
↳乳汁分泌を抑える(逆にドパミンが減るとプロラクチンが増える)
このような「ホルモン→下垂体→標的器官→作用」という流れを線でつなぐと、複雑な内分泌系の関係が一気にクリアになります。学習時には、機能マップを紙に書いて壁に貼ったり、スマホのメモアプリに保存して繰り返し見るのがおすすめです。
覚えた知識を定着させる練習法
視床下部ホルモンの知識は、一度覚えたつもりでも、時間が経つとすぐに抜けてしまうことがあります。これは、情報が「長期記憶」に移行していない証拠です。そこで重要になるのが、定期的な復習と反復練習です。
このパートでは、覚えた知識を効率よく記憶に定着させるための具体的な方法を紹介します。特に、スマホを活用した暗記カードや、理解度を確認できる一問一答の活用法に焦点をあてて解説します。
暗記カードやアプリで繰り返し学習
繰り返し学習は、暗記を成功させるカギです。その中でも、暗記カードや学習アプリは特に効果的なツールとして知られています。
学習におすすめの方法をいくつか紹介します。
- フラッシュカード(紙・アプリ)
↳表に「GnRH」、裏に「性腺刺激ホルモン放出/FSH・LHを促進」などと記載 - スキマ時間にスマホで学習
↳AnkiやQuizletなどの無料アプリで反復練習 - 音声読み上げ機能を使う
↳耳からの記憶定着を狙った学習法
暗記カードのポイントは、「思い出す」ことに集中することです。答えを見て覚えるより、頭の中で答えを思い出すことで、記憶は強化されます。間違えたカードだけを集めた「苦手カードセット」を作るのも効果的です。
一問一答で実力チェック
「覚えたつもり」を防ぐためには、自分の理解度を定期的に確認する必要があります。そこで便利なのが、一問一答形式の確認問題です。
一問一答の使い方を、効果的なステップで紹介します。
- 最初にホルモン名を見て、作用や働きを口頭で答えてみる
- 次に、作用先を問う問題で知識の整理を行う
- 間違えた問題は「再チェック用」に分類して後日再トライ
例題:
- GnRHが作用するのはどこ?
解答はこちら
下垂体前葉
- GnRHが促すホルモンは?
解答はこちら
FSH、LH
- CRHはどのホルモンの分泌を促す? → ACTH
解答はこちら
ACTH
- TRHはどのホルモンに働く?
解答はこちら
TSH、プロラクチン
このように、定期的に「自分の知識がどこまで定着しているか」を確認することで、本番の試験でしっかり思い出せる知識が身についていきます。
まとめ|視床下部ホルモンは語呂と図解で乗り切れる
視床下部ホルモンの学習は、最初のうちは情報量の多さや名前の複雑さに戸惑うかもしれません。しかし、ポイントを押さえた覚え方を実践すれば、効率的に理解と記憶を進めることが可能です。
この記事では、視床下部ホルモンの分類や作用、名前の語源に加え、語呂合わせや図解を用いた覚え方を紹介しました。さらに、暗記カードや一問一答など、実際の試験対策として効果的な練習法についても触れました。
勉強を進めるうえで大切なのは、「全部覚えなければ」と気負いすぎないことです。まずは主要なホルモンの名前と働きをざっくりつかみ、そこから徐々に細かい知識へと広げていくのがコツです。繰り返しの確認と、視覚・音・言葉など多角的なアプローチを組み合わせることで、記憶の定着がグッと楽になります。
ホルモンは国家試験や定期テストの頻出分野でもあるので、ここでしっかりと基礎を固めておくと、他の内分泌系の学習にも大きく役立ちます。焦らず一歩ずつ、自分のペースで進めていきましょう。あなたの努力は、必ず結果につながります。




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