鍼灸院の集客に頭を悩ませている方は少なくありません。折込チラシやSNSを試してみたものの効果が感じられず、どこに注力すればいいか分からない──そんな声をよく耳にします。
特に新規患者の獲得と再来率の向上は、収益安定の鍵を握る重要な課題です。
本記事では、オンラインとオフラインの両面から、すぐに取り組める具体的な集客戦略を解説。集客の軸となるターゲット設定から、口コミの活かし方、SNSやLINEを使ったファンづくりまで幅広く紹介します。
費用を抑えながら実践できる方法も多数取り上げているので、広告に不慣れな方にも取り入れやすい内容です。
集客に困っている鍼灸院の経営者の方が、自院に合った施策を見つけ、継続的に患者を集められるようになるための実践ガイドとしてご活用ください。
このページでわかること
- 集客に成功している鍼灸院に共通する特徴
- オンライン集客(HP・SNS・口コミ)の具体策
- オフライン集客(チラシ・紹介制度など)の活用法
- リピート率を高める接点づくりとフォロー施策
- ターゲット別のキャンペーン事例と注意点
集客に成功する鍼灸院の共通点

集客が安定している鍼灸院には、いくつかのはっきりとした共通点があります。ただ広告を打つだけでは持続的な来院は見込めず、「誰に」「どうやって」「どのように継続させるか」が明確な仕組みになっていることが成果に直結しています。
ここでは、実際に成果を上げている院の特徴を項目別に掘り下げて解説します。
ターゲットが明確である
患者が来ない理由の多くは、誰に向けた施術かが曖昧なことに起因しています。
集客が成功している院では、患者像を明確に設定し、広告や施術内容、接客スタイルまでそのイメージに沿って設計されています。
ターゲット設定に役立つ観点は以下の通りです。
- 性別・年齢・ライフスタイル
↳例:30代女性の美容意識、シニア世代の慢性痛など - 悩みの深さと頻度
↳急性症状よりも、慢性・美容目的のほうがリピートに繋がりやすい - 地域特性との連動
↳住宅街なら主婦層、駅近ならビジネスマンなどの傾向に着目
「誰でもOK」な施術は逆に誰の心にも響きません。ペルソナに基づいた打ち出しが集客効率を大きく変えます。
予約導線がシンプルで使いやすい
集客力のある院は、患者が「迷わず予約できる」仕組みを整えています。多くの来院希望者は、情報収集から予約までをスマホで完結させたいと考えており、その流れを妨げる要素がないことが大切です。
有効な予約導線の設計例は次の通りです。
- ファーストビューに予約ボタン配置
↳ページを開いた瞬間に行動を促せる - LINE予約連携の導入
↳24時間対応可能、既読確認も便利 - 複数の予約手段を一括表示
↳電話・Web・LINEを並列で見せ、選択肢を明示
「予約が面倒くさい」と思われた瞬間に機会損失が発生するため、シンプルさとスピード感が命です。
患者との接点を複数持っている
1回だけの来院では経営は成り立ちません。リピート率の高い鍼灸院では、初回以降のフォローや情報提供を通じて、複数の接点を作り出しています。
代表的な接点づくりの方法には以下のようなものがあります。
- LINE公式でのフォローメッセージ
↳施術後の注意点や次回来院目安を送信 - Instagramで施術実例やお客様の声を紹介
↳来院前の不安を和らげる効果がある - 定期配信のニュースレターやメルマガ
↳季節ごとの症状対策やキャンペーン案内に活用
接点が多いほど、患者との関係性は深まり、再来院への心理的ハードルも下がります。
集客の実践方法
オンラインでの集客は、現代の鍼灸院経営において欠かせない要素となっています。ホームページやSNSを活用することで、来院前に患者との接点を持ち、信頼を得ることが可能になります。特にスマホユーザーの行動特性を意識した情報設計が重要です。
ホームページの最適化ポイント
ホームページは、院の「顔」としての役割を担い、集客の要になります。ただ見栄えが良いだけでは効果は薄く、予約に繋げるための設計が求められます。
有効なホームページ構成のポイントは以下の通りです。
- ファーストビューに「強み」と「予約ボタン」
↳院の特色と行動導線を明確に提示 - ビフォーアフター写真・体験者の声
↳信頼感と具体的な効果を示すコンテンツ - スマホで見やすいレイアウト
↳スクロール導線を意識し、ストレスのない表示を実現
特に「どんな症状の人が、どう改善したか」を伝えるストーリー形式の症例紹介は、新規患者の共感を呼びやすくなります。
Googleビジネスと口コミ戦略
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)は、検索結果や地図上での見え方を左右する重要な集客チャネルです。ここでの評価が来院前の印象を大きく左右します。
活用のポイントは以下の通りです。
- 写真を定期更新(外観・施術風景・スタッフ)
↳安心感を与える視覚情報の提供 - 口コミの収集と返信対応
↳来院後すぐに依頼し、丁寧に返信することで信頼感アップ - 施術メニューや営業時間の正確な登録
↳誤情報による機会損失を防ぐ
特に口コミは第三者評価として機能するため、数と質の両方が重視されます。返信は形式的なものではなく、感謝の気持ちと個別性を持たせると効果的です。
Instagram・LINEでファンを育てる
SNSは即効性よりも中長期的な関係構築に向いたツールです。特にInstagramとLINE公式アカウントは、ターゲットとの継続的な接点づくりに役立ちます。
主な活用法は以下の通りです。
- Instagram
↳ビフォーアフター投稿、施術紹介、Q&Aストーリーでの信頼構築 - LINE公式アカウント
↳予約受付、施術後のフォロー配信、キャンペーン通知などが自動化可能
SNSに苦手意識がある場合でも、テンプレートを活用した投稿や、週1回の更新ペースから始めることで無理なく継続できます。発信内容を通じて「この院なら安心できそう」と思わせることが大切です。

集客の基本と工夫
地域密着型の鍼灸院にとって、オフラインでの集客も大きな影響力を持ちます。特に近隣住民との信頼関係を築くには、リアルな接点を活かした戦略が効果的です。チラシや紹介制度、イベント参加など、地道ながら安定した集客につながる手法を紹介します。
チラシ・看板・地域活動の活用法
地域での認知を広げるためには、視認性と親しみやすさを重視したオフライン施策が有効です。以下の手法がよく活用されています。
- ポスティングチラシ
↳ターゲット層が多く住むエリアを絞り、定期的に配布することで浸透効果を高める - 店舗看板・のぼり旗
↳通行人への訴求力があり、施術中で入れない時間帯でも集客が可能 - 地域イベントへの参加
↳健康相談会や体験ブースを通じ、施術を知ってもらう機会を創出
特にチラシは、「どんな悩みに対応しているか」「予約方法」「料金の目安」などを明確に記載し、QRコードでLINE予約に誘導するのがポイントです。

紹介制度と口コミを活かす仕組み
口コミは最も信頼性の高い集客手段の一つですが、自然発生を待つだけでは限界があります。積極的に仕組みとして設計することが重要です。
効果的な取り組み例は以下の通りです。
- 紹介カードの配布
↳既存患者にカードを配布し、紹介者・紹介先の双方に特典を設定 - LINE登録と連動した紹介キャンペーン
↳紹介時にLINE登録が必要な仕組みを作り、ファン化を同時に進める - 口コミ投稿のお礼メッセージ
↳Google口コミなどに投稿してくれた患者に丁寧な感謝を伝える
口コミが広がる環境を整えることで、広告費をかけずに信頼と新規来院を同時に獲得できます。
ターゲット別キャンペーン事例
集客施策は「誰に向けて行うか」で成果が大きく異なります。特定のターゲット層に向けたキャンペーンは、訴求力が高まりやすく、反応率も向上します。
代表的な事例を紹介します。
- 美容鍼(20〜40代女性)
↳「顔のたるみ改善」「写真映えUP」など効果を視覚で伝える広告が効果的 - 産後ケア(産後1年以内の母親)
↳「骨盤ケア+肩こり改善」「育児疲れにリセットタイム」などを打ち出す - スポーツケア(中高生アスリート)
↳「大会前のコンディショニング」「怪我予防プログラム」で保護者にも訴求
それぞれの悩みに沿ったコピーとオファー内容を構成することが、共感と来院行動を引き出す鍵になります。
リピート率を高めて収益を安定させる
鍼灸院の安定経営には、「リピート率の確保」が不可欠です。初回集客ができても、2回目以降の来院が続かないと収益にはつながりません。
ここでは、継続来院のための具体的な施策と、実際の成功例を交えて紹介します。
次回予約の提案タイミングと方法
リピート率を高めるうえで最も効果的なのが「次回予約の提案」です。施術の終わりに自然な流れで次の来院を促すことで、患者が忘れたり迷ったりすることを防げます。
- 施術後すぐの会話で次回の治療計画を提示
↳「次は3日後にお越しいただけるとより効果的です」など - 予約を促すPOPの掲示
↳会計スペースや施術室内に「次回のおすすめ」などを掲示 - 通院ステップの明確化
↳「1週目は週2回、2週目から週1回」などのプラン提示
こうした声かけと視覚的な補助を組み合わせることで、患者自身も通院の必要性を理解しやすくなります。
フォローLINE・サンキューメッセージ活用法
施術後に継続して接点を持つことで、安心感と信頼感を高めることができます。LINEを中心としたフォロー施策は特に効果的です。
- 施術翌日にフォローメッセージ送信
↳例:「昨日の施術後、お身体の調子はいかがですか?」 - 次回来院の目安リマインド
↳例:「次のご予約は1週間後がベストです。空き状況はこちらからご確認ください」 - 定期的な情報配信(健康情報・キャンペーン)
↳LINE公式を活用して週1程度で発信
LINEの自動応答や予約連携機能を使うことで、手間をかけずに継続したコミュニケーションが可能になります。
失客防止のチェックリスト
患者の離脱を防ぐには、院内のあらゆる接点を定期的に見直すことが重要です。以下はチェックすべき主な項目です。
チェック項目 | 具体的な対策 |
---|---|
初診対応 | 不安を取り除く丁寧なカウンセリング |
施術説明 | 「なぜ必要か」「どう改善するか」を明確に伝える |
院内の清潔感 | 常に整理整頓・換気・明るさを意識 |
予約のしやすさ | LINE・電話・ネット予約などを併用 |
スタッフ対応 | 笑顔・声かけ・マナーの徹底 |
これらをスタッフ全員で月1回チェックし、改善点を共有することが「離脱を防ぐ仕組み化」につながります。

実践事例|回数券活用でリピート率90%超の院
東京都内のある鍼灸院では、以下の取り組みにより2回目リピート率90%以上、3回目以降の継続率も80%超を達成しています。
- 初回カウンセリングで3ヶ月の通院プランを説明
↳治療計画に基づいた「必要な回数」を明示 - 5回券・10回券を用意し、1回あたりの料金を割引
↳患者の金銭的・心理的ハードルを下げる - 回数券に「来院スケジュール」を記入し手帳化
↳習慣化を促すビジュアル管理 - 施術ごとにポイントが貯まる特典制度を導入
↳継続のモチベーションアップ
これらを総合的に組み合わせることで、「選ばれる理由」と「続ける理由」を同時に提供し、リピート率の向上に成功しています。
まとめ|鍼灸院に合った集客で継続的な来院を増やそう
鍼灸院の集客においては、「どの媒体を使うか」よりも「誰に、どんな価値を届けたいのか」が成功のカギとなります。この記事では、ターゲットの明確化からオンライン・オフラインの実践施策、リピート率を高めるフォロー手法まで、成果に直結するポイントを幅広く解説しました。
集客に成功している鍼灸院の多くは、自院にとって最適な方法を見極め、少しずつ仕組み化しながら改善を重ねています。広告費をかけずに効果を出すには、地道な発信と「来院したくなる導線づくり」が不可欠です。
SNSが苦手でも、LINE配信が初めてでも、小さな行動から始めていくことで、着実にファンは増えていきます。リピート率を意識した施策も加えることで、新規と再来の両輪が回る、強い院づくりが可能になります。
まずは、自院の強みとターゲットを再確認し、できるところから一歩踏み出してみましょう。焦らず、継続的に改善を重ねる姿勢が、安定した経営と信頼される鍼灸院の未来につながっていきます。
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