鍼灸師(鍼師/灸師)とは?目安年収や仕事内容を分かりやすく徹底解説!

鍼灸師とは

鍼灸師という仕事をご存知でしょうか?鍼や灸を用いてツボと呼ばれる経穴を刺激し、自然治癒力を高めたり病気の改善や予防、健康回復を目的として治療を行う東洋医学の専門家です。
主にスポーツの現場や治療院、接骨院等で働いています。色々な場所で需要があるこの仕事、給料面や待遇など気になる面がたくさんあります。

日本における鍼灸師の平均年収は、約300万〜400万円程度とされています。月給に換算すると、約25万〜35万円程度です。経験を積むことで、給料が上がることもあり、開業して自分の治療院を持つ場合は、収入が大きく異なることもあります。

本記事は、鍼灸師の仕事内容から給料事情など詳しくお話ししていきます。これから目指そうと思っている方は是非最後まで記事をご覧ください。

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国家資格4種取得、最年少院長

【取得資格一覧】

柔道整復師(国家資格)
鍼師(国家資格)
(国家資格)
あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
アスレチックトレーナー(民間資格)

現在は都内の整骨院チェーン店にて最年少院長を務める。

目次

鍼灸師(鍼師/灸師)とは

鍼灸師 挿入画像

鍼灸師は、鍼と灸を用いて、ツボと呼ばれる経穴を刺激し、自然治癒力を高めたり、病気の改善や予防、健康回復を目的として治療を行う東洋医学の専門家です。主にスポーツの現場や治療院、接骨院等で働いています。

この資格は国家試験で大学または専門学校で3年以上勉強して国家試験に合格する必要があります。

鍼灸師の主な仕事

鍼灸師の主な仕事は、東洋医学に基づいた「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」を用いて、患者の健康を改善することです。具体的には、以下のような業務を行います。

  1. 患者の診察とカウンセリング:患者の症状や健康状態を確認し、問診を行います。体質や生活習慣、既往歴を考慮して治療方針を決定します。
  2. 鍼治療:鍼(細い針)を特定の経穴(ツボ)に刺入し、気の流れを整え、痛みや不調を和らげます。鍼の深さや刺入する場所は、患者の症状や体質に応じて調整されます。
  3. 灸治療:灸を用いて、ツボに温熱刺激を与える治療法です。もぐさを燃やして温熱を与えることで、血行を促進し、自然治癒力を高めます。
  4. 治療計画の作成:一度の治療だけではなく、患者の症状に応じた中長期的な治療計画を立て、定期的に効果を確認しながら調整します。
  5. 健康指導とアドバイス:患者に対して、食事、運動、生活習慣の改善についてのアドバイスを行うこともあります。東洋医学の観点から、日常生活での健康管理について指導します。
  6. 記録管理:患者の治療記録を管理し、治療の経過や効果を記録して次回の治療に活かします。
  7. その他の治療法:鍼灸師によっては、マッサージやカッピング(吸い玉)など、他の東洋医学的な治療法を併用することもあります。

医者以外では唯一皮膚を破り治療することができる資格になります。マッサージなどの治療に比べ刺激量が多く治療効果が出やすい治療法のため以下のような症状が稀に出ることがあります。

好転反応

好転反応とは、整体やマッサージ、鍼灸などの施術を受けた後に、体が正常な状態に戻ろうとする過程で一時的に起こる症状のことです。

好転反応は、すべての人に起こるわけではありませんが、施術に慣れていない人や、慢性的な症状を抱えている人などに起こりやすい傾向があります。

好転反応の主な症状は以下の通りです。

  • 痛み:施術部位やその周辺が痛くなったり、全身がだるくなったりすることがあります。
  • 倦怠感:疲れやすくなったり、眠気を感じたりすることがあります。
  • 発熱:微熱が出ることがあります。
  • 頭痛:頭痛が起こることがあります。
  • めまい:めまいが起こることがあります。
  • 皮膚症状:発疹や吹き出物が出ることがあります。

好転反応は、通常2~3日で治まります。体の状態が良くなる過程で起こるもので危険なものではございません。
好転反応が出ているということは、施術が効果を発揮している証拠と言えます。
ですが、好転反応が起こらないようにするためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 十分な睡眠をとる
  • 水分をこまめに補給する
  • バランスのとれた食事を摂る
  • 激しい運動は避ける
  • ストレスを溜めない

好転反応について、不安なことがあれば、施術者に相談してください。

鍼灸師・トレーナー目安給料

鍼灸師の給料は、経験年数、勤務先の規模や地域、雇用形態などによって異なりますが、以下は一般的な目安です。
経験年数や働く環境により大幅に給与が変わってきます。ここでお話しする内容は、厚生労働省が調べた「その他の保健医療従事者」というデータを基にしています。

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経験・雇用形態月給年収備考
初任給(鍼灸師・スポーツトレーナー)約18万〜25万円約200万〜300万円新卒・未経験者向け
経験3〜5年約25万〜30万円約300万〜400万円経験により給料が上昇
経験10年以上約30万〜40万円約400万〜500万円熟練した鍼灸師・スポーツトレーナー
開業している場合なし500万円以上も可能経営状況による。成功すれば1000万円を超えることもあるが、リスクあり
パート・アルバイト時給: 約1000〜2000円なし勤務時間による収入
プロチームでの勤務なし約500万円〜1000万円以上プロのスポーツチームや有名選手の専属トレーナーとしての勤務。収入が大幅に増加することがある。
フリーランス(独立している場合)なし約300万円〜1000万円以上収入はクライアントの数や単価、トレーニング内容によって大きく異なる。

手当や福利厚生

鍼灸師の手当や福利厚生は、社会保険や通勤手当、住宅手当などの基本的な福利厚生が完備されていることがほとんどです。また大手の会社などに入社すると、職務手当: 管理職やリーダーなど、特定の役割を担う場合に支給される手当。研修・教育制度: スキルアップや知識の向上を目的とした研修や勉強会に参加できる制度。勤務先によっては費用の一部または全額を負担してくれる場合もあります。


このように鍼灸師さんの給料や福利厚生はさまざまな要因で変わってきます。そのため働く環境をよくみて自分に合った職場を選ぶことが大切です。


給料以外の面も含めて、総合的に判断するといいでしょう。

鍼灸の保険適応について

鍼灸治療は、柔道整復師の保険診療ほど一般的ではないですが一定の条件を満たせば、健康保険で受けることができます。ですが保険適応となる範囲が限られているため気になる方はチェックしてみましょう。

項目内容
保険適用となる症状神経痛:坐骨神経痛、三叉神経痛、顔面神経痛など
リウマチ:関節リウマチ、強直性脊椎炎など
頚腕症候群:首の痛み、肩こり、頭痛、しびれなど
– 五十肩:肩の痛み、動かしたときの痛みなど
– 腰痛症:慢性的な腰の痛み
– 頸椎捻挫後遺症:首の痛み、頭痛、めまいなど
– その他:上記の症状に付随する症状
保険適用の条件– 医師の同意があること
– 医療機関または鍼灸師が施術を行うこと
– 保険適用の対象となる症状であること
保険点数・自己負担額– 鍼灸治療の保険点数は、症状や施術内容によって異なる
– 1回の施術にかかる自己負担額は、約300円~1,000円(接骨院により異なる)
注意事項– 鍼灸接骨院によっては、保険適用を行っていない場所もあるため、受診前に確認が必要
– 組合保険の場合、償還払いとなることがあるため、事前に確認しておくと良い

組合保険で自分が受領委任払いになっているか確認したい方はこちらをチェック

鍼灸師の働き方

鍼灸師にはもちろん鍼灸院で働くことや接骨院で働くことが多いですが実はさまざまな場所と必要とされている職業になります。

働く場所で迷っている方はぜひ表をご覧ください。

仕事内容

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働き方仕事内容
クリニックや病院勤務医師の指示のもと、患者に対して鍼灸治療を行います。他の医療従事者と連携しながら治療を進めることが一般的です。
鍼灸院勤務鍼灸院に勤務し、主に鍼灸治療を専門に行います。患者の症状に応じた施術を提供し、健康改善や痛みの緩和を目指します。
自営業(開業)自ら鍼灸院を開業し、患者に対して鍼灸治療を提供します。経営全般を担当するため、治療だけでなく、集客や経営管理、スタッフの雇用・教育なども行います。
訪問鍼灸患者の自宅や施設に訪問して鍼灸治療を行います。主に高齢者や障害者を対象とし、リハビリテーションや痛みの緩和を目的とした治療を提供します。
スポーツトレーナースポーツ選手やチームに対して、鍼灸治療を通じてコンディションを整え、怪我の予防やリハビリをサポートします。スポーツイベントや試合に同行することもあります。
リラクゼーション施設での勤務リラクゼーションサロンやスパで働き、鍼灸治療を提供しながら、リラクゼーションを目的とした施術も行います。美容鍼灸を提供することもあります。
教育・研究分野鍼灸学校や専門学校で教鞭を取る、または研究機関で鍼灸に関する研究を行います。将来の鍼灸師を育成したり、新しい治療法の研究開発に携わります。
パート・アルバイト鍼灸院やリラクゼーション施設、訪問鍼灸などで、時間や日数を限定して働きます。正社員ほどの責任はありませんが、治療やサポート業務を行います。

勤務時間

働き方勤務時間
クリニックや病院勤務病院やクリニックの営業時間に準じます。基本的に固定の勤務時間で、シフト制の場合もあります。
鍼灸院勤務鍼灸院の営業時間に準じますが、夜間や土日も営業しているところが多く、シフト勤務となることがあります。
自営業(開業)自身で決定するため自由度が高いですが、経営のために長時間働くこともあります。
訪問鍼灸訪問先や患者のスケジュールに合わせて働くため、比較的自由度がありますが、移動時間も考慮する必要があります。
スポーツトレーナーチームのスケジュールや選手の要望に合わせるため、不規則な勤務時間になることが多いです。
リラクゼーション施設での勤務施設の営業時間に合わせたシフト勤務が一般的です。夜間や週末も営業する施設が多いです。
教育・研究分野学校のカリキュラムや研究のスケジュールに合わせて働きます。比較的固定した勤務時間となることが多いです。
パート・アルバイト自分の都合に合わせてシフトを選べるため、自由度が高いです。短時間勤務が可能です。

特徴

働き方特徴
クリニックや病院勤務安定した雇用が期待でき、福利厚生が充実していることが多いです。
鍼灸院勤務鍼灸に特化したスキルを磨くことができ、患者とのコミュニケーションを重視する働き方です。
自営業(開業)自由度が高く、自分のスタイルで働ける反面、経営リスクや責任が伴います。成功すれば高収入が期待できますが、集客や経営力が求められます。
訪問鍼灸患者の生活環境に応じた柔軟な対応が求められます。患者との信頼関係が重要です。
スポーツトレーナースポーツに関する専門知識が求められ、選手のパフォーマンス向上に直接関与できるやりがいがあります。
リラクゼーション施設での勤務美容やリラクゼーションに特化した技術を習得でき、幅広い施術を経験できます。
教育・研究分野教育・研究を通じて鍼灸の発展に貢献でき、学問的な探求心を満たせる分野です。
パート・アルバイト他の仕事や学業との両立が可能で、スキルを維持しつつ働くことができます。

まとめ

日本における鍼灸師の平均年収は、約300万〜400万円程度とされています。月給に換算すると、約25万〜35万円程度です。決して高くはないですが経験を積むことで、給料が上がることもあり、開業して自分の治療院を持つ場合は、収入が大きく異なることが特徴です。

さまざまな場所で活躍できる鍼灸師ですが自分の適性や働き方に合った職場を探すことが大切です。鍼灸師は仕事仲間と密接に関わることが多いので慎重に自分に合う場所を見つけましょう。鍼灸師の仕事は、人と街の健康を支える魅力的な職業です。

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